投資を続けていると、「このままでいいのかな」と思う瞬間がある。
2020年3月、コロナショックで株価が急落したとき、
僕は初めて“焦り”という感情を味わった。

報告書に記された「マイナス」の数字

当時は旧NISAで運用しており、証券アプリもSNSも使っていなかった。
四半期に一度、郵送で届く報告書でしか状況を知ることができなかった。

2020年3月の報告書に「−4.54%」の文字を見つけた。
その数字が、静かに胸に刺さった。

「えっ、減ってる……」
積み立ててきたお金が減ったという事実だけで、心がざわついた。

「やっぱりNISAなんてやめたほうがいいのかもしれない」
そう思ったのを、今でもはっきり覚えている。

焦りは「音のない不安」から始まる

損失額はわずか数千円。それでも心が落ち着かない。
誰かに煽られたわけでもない。ただ、「積み立てた意味がなくなるのでは」と感じた。

焦りとは、派手なパニックではなく、静かに忍び寄る不安のようなもの。
そしてそれは、「もうやめようかな」という小さな衝動に姿を変える。

やめなかった理由

このとき僕がやめようとしたのは、NISAの積み立てだった。
それでも、売ることはしなかった。

「今はコロナの影響で株価が下落しているけど、
 政府が必ず財政出動などの政策を行うはず。
 このまま放置しておくはずがない。だから、しばらく様子を見よう」

――そう考えた。

感情ではなく、“状況の推移を見極めよう”という理性が働いた。

あの判断は正しかった

2020年3月の状況を振り返ると、世界中でロックダウンが始まり、
S&P500は1か月で−30%を超える暴落。

しかし、各国政府・中央銀行はすぐに大規模な財政出動と金融緩和を実施した。
日本でも同年4月に補正予算・特別定額給付金・緊急融資制度が打ち出され、
結果として株価は同年6月には急回復している。

つまり、あのとき僕が考えた――

「政府が放置するはずがない」
「しばらく様子を見よう」

この2つの判断は、冷静で正確な読みだった。

当時SNSや証券アプリを見ていなかった分、
情報に振り回されず、自分の判断軸で動けたのも大きい。

参考リンク

待つ力とは、“信じる勇気”のこと

投資は、知識よりも「続ける心」が試される世界だ。
焦って行動するより、「信じて待つ」ほうがずっと難しい。

僕にとって“待つ力”とは、

「今の自分の判断を信じて、嵐が過ぎるのを静かに待つ勇気」
のことだと思う。

まとめ

焦りの正体は、情報でも損失でもなく、
「自分を信じ切れない気持ち」だ。

そしてその不安を超える方法は、
派手な知識でもテクニックでもなく――
“続ける”という小さな決意だけだった。

次回予告

次回は、「暴落が怖い」は当たり前――下がったときの心の守り方。
市場が荒れても落ち着いていられる人と、不安で動いてしまう人。
その違いを、心のメカニズムと実体験から見つめていきます。

おすすめの記事